結膜炎
一言に結膜炎といってもいくつかの種類があります。
花粉症に代表されるアレルギー性結膜炎や細菌性結膜炎、はやり目ともいわれるアデノウィルス感染などに代表されるウィルス性の結膜炎などがあります。結膜炎では絶対ではないですが、黒目から離れたところの方が、黒目の近くより充血が強いことが多いです。
アレルギー性結膜炎の主症状はやはりかゆみです。メヤニはあまり多くなく、朝起きたときに白いかさかさしたメヤニが眼の下のあたりにへばりついていたりします。現在アレルギー性結膜炎には、かゆみを抑えるために点眼薬が使用されます。ただ、これはあくまでも一時的にかゆみを抑える効能しかなく、根本的な治療ではありません。アレルギーはその人によって原因になる物質が違い、その原因物質との接触を避けるか、薬で症状を抑えるしか対処法がありません。
細菌性結膜炎は割とネバネバした黄色や黄緑のメヤニが出ることが多く、原因となる細菌があり、その種類によってよく効く点眼薬を選んで処方されます。菌の種類は培養などによってしかわからないため、実際には多くの菌にそれなりに効果がある(抗菌スペクトルが広い)抗菌薬の点眼が行われ(大概それで治ってしまいます。)、それでは効果が弱いときに培養で分かった菌に対する抗菌薬の点眼が行われます。
ウィルス性結膜炎ははやり目といわれるアデノウィルス感染に代表される結膜炎で、その他に急性出血性出性結膜炎やヘルペスウィルス性の結膜炎などもあります。はやり目は感染力が非常に強い結膜炎で強い充血を伴います。メヤニは比較的にさらさらした感じです(メヤニというより流涙と訴えられる患者様も多いです)。治療はヘルペスウィルスの場合は軟膏での治療が可能ですが、その他のウィルスは効果的な治療薬があまりなく、合併症予防の抗菌薬やステロイドの点眼が行われることが多いです。
ただ、結膜炎はいくつかの種類が合併することもあり、アレルギー性結膜炎やはやり目でも細菌性結膜炎が合併すれば痒いうえにネバネバしたメヤニが出ることも当然あります。細菌ははやり目に関して15分で検査可能な簡易キットがあり、以前より誤診の確率は減っていますが、やはり合併がある状態だと原因の確定が難しいときがあります。