眼圧(目の内圧で、実際には少し違いますが、ボールの空気圧のようなものと思ってください。)などの要因で視神経が障害され、視野欠損が発生し、放置すると失明の危険性もある病気です。人間ドックや検診の眼底写真で視神経乳頭陥凹拡大という病名を指摘された場合は、緑内障が疑われる状態と考えてください。名前が似ているので白内障と混同されますが、全く違う状態です。緑内障は一般には眼圧が大きく上がり、目が痛いなどの症状があるような状態と思われていますが(内科の先生がお薬を出すときに気にされるのはこの場合です)、それはほぼ
急性緑内障発作の場合だけであり、患者数が最も多いとされる
正常眼圧緑内障では、初期から中期にかけては自覚的には無症状であり、人間ドックや他の問題で眼科に受診したときに偶然発見されるだけです。40歳以上の方の5%(40人学級なら2人くらいはいらっしゃる計算になります)にいらっしゃるとされ、決して特別な病気ではありません。進行性の病気である程度悪化しないと自覚症状はないと考えた方が無難です。悪化して見えにくくなってからだと見えにくさを改善することができません。1か月単位でどうこう言うべき病気ではないのですが、できる限り早期に発見して、治療を開始するべきです。そのため、自覚症状がなくても人間ドックでの眼底写真の検査は定期的に受けるべきであると考えます。また、そこで異常を指摘されたときはしっかり受診することをお勧めいたします。(前年問題ないといわれても、異常を指摘された場合は受診するべきです。眼底写真を見る医師の技量次第で見落とされることも少なくありません。)
緑内障と診断された場合、眼圧が高い・正常にかかわらず眼圧を下げる治療が一般的です。(正常眼圧の方でも、ある程度眼圧を下げると多くの場合、視野異常の進行が遅くなるというアメリカの研究を根拠にしています。。)
最近は点眼薬の性能も向上し、点眼薬だけの治療でも十分度眼圧が下がってくれることも多いです。ただ、やはり点眼薬だけでは十分眼圧が下がらず、レーザー治療や手術治療が併用されることもあります。