眼圧が正常にもかかわらず、緑内障性の視神経障害の所見を呈し、視野障害を起こしている状態。
人間ドックで指摘される緑内障の多くがこのタイプと考えられます。
NHKためしてガッテンで2013年7月31日放送の「うっかりミスで発覚!40代を襲う謎の病」でも取り上げられていましたが、初期から中期にかけては視野に異常があったとしても、脳で補正されてしまったり、両目で見ると気にならなかったりして、ほぼ自覚症状はありません。自覚症状がないからと言って油断せず、人間ドックや検診での眼底写真で異常を指摘された場合眼科受診をお勧めします。(ただ、同番組では眼圧が高い事が緑内障に必須の状態のように表現されていましたが、実際には緑内障では眼圧自体は正常の事がかなり多いので、人間ドックで眼圧が正常だから大丈夫と考えないでください。)
最近は視野のみではなく、ためしてガッテンで述べられていたように、眼底の精密検査機器である
OCTも早期診断の一助になることが多くなっています。(当院にはOCTも常備しております)
治療としては眼圧が正常であっても、やはり眼圧を下げる治療(点眼・レーザー・手術治療によって)が行われます。それにより視野異常の進行が遅くなることが多いとされています。
1999年にラタノプロストという点眼薬が発売されるまでは点眼薬だけでは十分下がりにくいことが多かったそうなのですが(私は1998年に医師になり、本格的患者様を診察するようになった1999年7月の都立荏原病院赴任のころには既に発売、採用されていて実感としてそれ以前の状態というのがよくわからないのですが、患者様や諸先輩方に伺ったところ、それ以前の薬3種類くらいつけるよりもよく眼圧が下がり、点眼回数も1回なので非常に楽になったとおっしゃられていました。)、ラタノプロストが発売され、さらにその同系列の点眼薬がいくつか発売されて、点眼での眼圧コントロールがかなり良好になっています。